森と水の公園 10月下旬
柿の木の思い出など

柿の木を見ると、いつも思い出すのは……
生まれ育った家は、東海道沿いにあった。江戸時代から続く旧家なので、庭もそこそこ広く、大きな柿の木が植わっていた。
毎年、家族4人では食べきれないほどの実が生って、熟しきってしまった柿は、ジャムのようにして食べたりもした。そんな風にしてちょっと手を加えた柿は、子供にとっては実に美味しく、おそらく「幸せホルモン」が出まくっていたことだろう。
人間だけでなく、当時同居していた犬も、柿は好物だったようだ。落ちてきた柿にかぶり付くのを、何度も目撃しているから。食らいついている犬は、目が合うと「これは拾い食いではないよ」とでも言っているような、半ば得意そうな表情をした。
庭にはイチジクやザクロなどもあったが、犬の思い出も相まって、柿の木にいっそうの思い入れを抱く。

前足を交差させるのが、お得意のポーズだった。